対数と指数の法則をわかりやすく解説

対数の積の法則・商の法則・累乗の法則を、対応する指数法則とセットで解説。チートシートと計算例つき。

対数の法則は、それぞれ指数の法則と対になっています。同じ底の累乗同士をかけると指数が足し算になるので、対数同士を足すことは、もとの数をかけ算することに対応します。割り算なら指数は引き算に、累乗を取れば指数はかけ算になります。対数の正体は「姿を変えた指数」なので、すべての指数法則には対応する対数法則があり、両方をセットで覚えると理解が早まります。

要点まとめ

  • 積の法則: log10(100) + log10(10) = log10(1000) = 3。2 + 1 だから。
  • 対応する指数法則: 2³ × 2⁴ = 2⁷ = 128。累乗同士をかけると指数が足し算になるため。
  • 累乗の法則: ln(e³) = 3 × ln(e) = 3。
  • 底の変換: log(8, 2) = 3。どんな底でも log(x) ÷ log(b) で計算できる。

法則をチートシートにまとめる

以下の対応関係は、実際によく使うものだけを厳選している。右側の対数法則は、左側の指数法則を逆から読んだものにすぎない。対数と指数の法則ガイドにも同じ表を掲載しており、指数の解説記事では指数法則そのものがどこから来るのかを掘り下げている。

指数法則 対数法則 検算
aⁿ × aᵐ = aⁿ⁺ᵐ log_b(xy) = log_b(x) + log_b(y) log10(100) + log10(10) = 2 + 1 = 3
aⁿ ÷ aᵐ = aⁿ⁻ᵐ log_b(x ÷ y) = log_b(x) − log_b(y) log10(1) − log10(100) = 0 − 2 = −2
(aⁿ)ᵐ = aⁿᵐ log_b(xⁿ) = n × log_b(x) ln(e³) = 3 × ln(e) = 3
a⁰ = 1 log_b(1) = 0 ln(1) = 0
a⁻ⁿ = 1 ÷ aⁿ log_b(1 ÷ x) = −log_b(x) ln(0.5) = −ln(2) = −0.693147

上の表はすべて電卓上で再現でき、値は電卓の表示と同じ丸め方をしている。使うキーの詳細は電卓の関数リファレンスにまとまっている。

積の法則: 積の対数は対数の和になる

もっとも使用頻度が高い対数法則がこれだ。log_b(xy) = log_b(x) + log_b(y)。手計算では面倒なかけ算が、簡単な足し算に変わる。理由はこうだ。x = b^p、y = b^q とすると、xy = b^p × b^q = b^(p+q) となるので、xy の対数は p + q になる。

計算例1。 log10(100) = 2、log10(10) = 1。積の法則により log10(100 × 10) = log10(1000) = 2 + 1 = 3 となる。対数電卓で確認してみよう。log(1000) と入力すると 3 と表示される。さらに log(100) + log(10) と入力しても、やはり 3 に落ち着く。経路は違っても答えは同じだ。

対応する指数法則として最初に出会うのがこの形だろう。2³ × 2⁴ = 2⁷ = 128。実際に計算すると 8 × 16 = 128 であり、2⁷ = 128 とも一致する。

商の法則: 商の対数は差になる

割り算は引き算になる。log_b(x ÷ y) = log_b(x) − log_b(y)。積が足し算に分解されるなら、商は引き算に分解される。指数側では、まず分数を負の指数に変換してから考える。2⁵ ÷ 2² = 2³ = 8、これは 5 引く 2 が 3 だからだ。

計算例2。 log10(1) − log10(100) は 1 ÷ 100 = 0.01 の対数と等しくなるはずだ。計算すると 0 − 2 = −2 となり、実際に 10⁻² = 0.01 なので log10(0.01) = −2 である。log(0.01) と入力して確かめてみよう。1未満の数の対数は負になる。これはちょうど、負の指数が分数を生むのと同じ関係だ。

累乗の法則: 指数が前に出てくる

log_b(xⁿ) = n × log_b(x)。対数の中にある指数は、前に出てかけ算の係数になる。この法則を使えば指数について解くことができる。log(5^10) は 10 × log(5) になる。

計算例3。 ln(e^3) は自然対数電卓の規約に従い、ln を底が e の対数として扱う。累乗の法則を使うと 3 × ln(e) になり、ln(e) = 1 なので答えはちょうど 3 になる。ln(e^3) と 3 * ln(e) のどちらを入力しても 3 が返る。指数側でも同じ関係が成り立ち、(2³)² = 2⁶ = 64 となる。

底の変換: どんな底の対数も計算できる

対数法則を使うと、底同士を1回の割り算で変換できる。log_b(x) = log(x) ÷ log(b)。対数電卓は第2引数として底を指定できるので、公式を使わずに済むことも多い。

計算例4。 log2(8) を求めたいとする。対数電卓で log(8, 2) と入力すると 3 が返る。これは 2³ = 8 だからだ。あるいは底の変換公式を使い、log(8) / log(2) と入力しても同じく3が返る。指数側でも同じ関係を別の形で確認できる。2⁴ × 2⁻¹ = 2³ = 8。

電卓でこれらの法則を使う

  • 式全体を入力してから = を押す。log(100) + log(10) は1回の評価で3を返す。
  • 第2引数を指定すればどんな底でも計算できる。log(x, b)。
  • ここでの log は底が10、ln は自然対数であることを忘れないように。指数電卓では、同じ考え方を累乗の側から扱っている。

よくある質問

なぜ積の法則は成り立つのか

同じ底の累乗同士をかけると指数が足し算になるからだ。x = b^p、y = b^q とすると xy = b^(p+q) となり、両辺の対数を取ると log_b(xy) = p + q になる。

この法則は自然対数でも成り立つか

すべての法則は、e を含めどんな底でも成り立つ。ln(xy) = ln(x) + ln(y)、ln(x ÷ y) = ln(x) − ln(y)、ln(xⁿ) = n × ln(x)。自然対数電卓も同じ法則を適用している。対数は底が何であれ対数だからだ。

1の対数は何になるか

どんな底でも log_b(1) = 0 になる。どんな底も0乗すれば1になるからだ。

底のキーがない場合、log2(8) はどう計算すればよいか

log(8, 2) と入力して底を直接指定するか、底の変換公式 log(8) / log(2) を使う。どちらも3になる。